クエン酸-その多方面にわたる働き

クエン酸とは柑橘類に含まれる有機化合物でヒドロキシ酸のひとつです。レモン汁から発見され、酢酸と同じく酸味成分ですが、酢酸のように揮発性がないのでツンとした刺激臭はありません。酢酸が酢の酸味であるなら、クエン酸は梅干しや柑橘類の酸味です。

クエン酸はアミノ酸とともに黒酢に含まれる有効成分として人気があります。摂取して期待できる効果は、疲労回復、尿酸値減少、ビタミンB6の吸収を高める、尿路結石の形成予防、血流改善、その酸味による食欲増進等多岐にわたります。

またその活躍は健康面だけにとどまらず、生活の中でも役立っています。どれもクエン酸の酸性という特徴を活かしたものです。

生活の場でのクエン酸の活躍

掃除の場面では、水垢汚れ落としで活躍します。風呂やシンクなどの水垢汚れは水に含まれるカルシウムやマグネシウム分が水分が蒸発して残ったものです。このカルシウムやマグネシウムの金属系の物質は酸性溶液で溶けるので、クエン酸を水で薄めたものを吹きかけしばらくしてから濡れた布で拭いたあと乾拭きして落とします。

また、クエン酸の特徴として消臭効果が有名ですが、これはクエン酸自体に消臭効果があるのではなく、アルカリ性の匂いに酸性であるクエン酸の水溶液をかけて中和することで匂いを抑えるのです。そのため酸性の匂いに対してクエン酸は効かないことになります。アルカリ性の匂いとしてトイレのアンモニア臭やたばこの臭い、魚の生臭い匂いなどが挙げられます。酸性の匂いだと靴の匂いや冷蔵庫の匂いなどです。

あと抗菌効果がありますが、これもクエン酸自体に殺菌作用があるわけではなく、酸性であることから菌の増殖を抑えるということなのです。

クエン酸回路

クエン酸のことを調べると、クエン酸回路という言葉を目にするかと思います。ハンス・アドルフ・クレブス博士によって発見されたためクレブス回路とも呼ばれますが、このクエン酸回路は酸素呼吸をする生物全体にみられる生命活動になくてはならない仕組みなのです。

私たちが食物から摂取した糖質・脂質・タンパク質が体内でアセチル-CoAまたはクエン酸回路の中間体になり、それがクエン酸回路に入り、回路をまわりながら8種類の有機酸に変化していきATP(アデノシン三リン酸)を作り出すのです。このATPが分解されエネルギーができることによって私たちは呼吸をしたり、運動をしたりなどの生きるための活動ができているのです。クエン酸回路とは生命活動に必要なエネルギーを生み出している仕組みであります。

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